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ぼちぼち訪問看護~回想録~その④ 4×12×5=240回!

ぼちぼち訪問看護~回想録~その④ 4×12×5=240回!

こんにちは 看護部門・副管理者の大塚です。

~私が訪問看護の世界に飛び込んで、かれこれ20年。「昔もあって、今も変わらないもの」
「今までも、これからも大切にしたいもの」そんな日々の想いを、ぼちぼちお届けいたします~

週1回、Kさんのお宅に通って2年ほど経った頃の話です。
ご病気がありますので、「あっちが痛い」「調子が良くない」
と言われながらも、毎週お伺いして、自宅での入浴のお手伝いをしていました。

そんなある日、介護されている娘さんがしみじみと私に言われました。
「昨日、計算してみました。月に4回来ていただいて、1年で48回、2年で96回!
100回近く、来ていただきました。親戚でも親しい友人でも、そんなにうちに来ませんよね!」
私も改めて回数を数えたことがなかったので、意外な驚きでした。

Kさんはご高齢ですから、体調がすごく好転することはありません。
時間の経過とともに徐々に衰えていかれる部分や、時には体調を崩される時もありました。
娘さんはKさんの体調に一喜一憂し、介護の大変さを話されます。

そうやって2年。
100回の中の1回1回は単調な訪問の繰り返しです。
良かれと思って試しても、うまくいかないことも度々。
手を変え品を変え、熱心に働きかけても一向に変化なし。
それでも、私がKさんと娘さんにとって、Kさんの調子の良いときも悪い時も、上手くいったことも失敗したことも知っていて、その時間を一緒に経過し、「こんなことがあったね」と話せる存在であることは、約100回の訪問が証明してくれます。

訪問看護に従事して日の浅い看護師スタッフから、
「訪問しても何も変わらない。何のために訪問に行っているのかと思う。」
そんな悩みを聴くことがあります。
今はそれでいいと思います。
諦めないで、投げ出さないで、訪問看護を続けてみてください。

「私が死ぬまで、ず-っとうちに来てね。頼むよ。」
ご家族に聞こえないように、私に内緒のお願いをされたHさん。
週1回お伺いしてお風呂のお手伝いを始めてから、丸5年が過ぎました。

月4回、1年で48回、5年で・・・4×12×5=240回!
まだまだお元気で過ごされますように。